揮発性の恋心と嫉妬心は真夏の青空に蒸発していき
夏が来た
繁殖の季節だ
カート・コバーンは「In bloom」で春は繁殖期だぜみたいな感じで歌っていたが、本国ではどちらかというと繁殖シーズンは夏だ。植物も虫もヒトも。夏になると最初暑いだるい動きたくないといっておきながら、最終的には老若男女エブリバディみんなはしゃいでいる。自分もそうだ。夏にはしゃがない日本人は多分マタギと広瀬香美くらいではないだろうか。
そんな訳で、いる。夏はたくさんいるし、できる。辺りを見渡すと、真っ当な青春を過ごされている方達が、ポカリスエットのcmに出てきそうな清純な男女二人組が、夏の日差しに照らされている。少なくとも、自分はどの季節よりも夏にこういう光景をたくさん見ていると思うし、またどの季節よりも夏に記憶に残る「リア充」をたくさん見てきた。記憶に残りすぎてたまに木曜1限とかに脳裏に出てくるリア充もいる。そんな印象にのこる夏のリア充の記録までもつけている。
実際、様々なデータなどを見てみると、夏にカップルが出来やすいのは事実のようで、日本は進学進級から4ヶ月目という絶妙なタイミングで学校は長期休暇になるは、ご先祖が帰ってくるから連日祝日があるはで、色々カップルのできやすい要因が夏に重なっているのかなぁ...とは思う。彼女いたことないからあくまで憶測だけれども...。
YES
彼女いたことないのに夏のリア充観察記録書いてるぜ!激キモやんけ!!
ただ、カップルに関する嫉妬心というか、リア充を弄るノリなどは全然持ってはいない(はずです)。道の向かいから激はしゃぎ夏カップルが向かってきたら、笑顔で会釈して線香花火を手渡すくらいのマインドをもって日々を生きています。プライベートの会話とか飲み会ならともかく 「ネット上でリア充妬み弄りノリみたいなのやっていいのは高校生までじゃないのか??」 という自分なりの勝手な考えとポリシーがあるので、Twitterとかで弄ったり、逆に惚気たりするのは極力やめようと思っているのです...。惚気られねぇか先ず...。
実際、恋愛感情がそんなになく、恋愛経験が全くないので、そういう映画を存分に楽しめないというのはあります。「愛がなんだ」だとか「花束みたいな恋をした」だとかの「エモさ」なぞわかるはずも無く、ただ「たのしそうだなぁ」とか「文学的だなぁ」みたいな小学生の芸術鑑賞みたいなノリで恋愛映画を見ています。そう!文学的なんですよ!夏のリア充の姿って!!昔から小説とか映画のメインコンテンツだし!夏のリア充って!!嫉妬心とか無くても綺麗に見えるモンなんですよ!
ただ、こんな記録をしててもアウトプットの機会がありゃしないったらありゃしない。炊飯器の「おこわ」機能より使う機会がない。ただただ自分が印象に残っているリア充を書いているだけなので特に話の起承転結がないからエピソードトークの材料にもならないし、そもそもこんなキショキショな話のできる友人もいないし...創作のネタにでも...創作なんてしないだろ自分...
というわけで、ここ5年くらいで夏に見かけた「印象に残っているリア充」の記録の中で、まぁ他に話すこともない4つくらいの記録をここに記したいと思います。また他の奴もいつか書くかもしれない...。プライバシーの侵害...と思ったけどTwitterとかラジオとかテレビでもこういうエピソード披露って皆やってるし適当にぼかしとけば大丈夫かな...。この記録が、皆様の何かにお役に立てれば幸いです。なんだろう、恋愛小説を書くときとか...。
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自分の高校は男子校だった。そのため、クラス内で「誰かが他校の女子と付き合っている」類いのゴシップが出ると、びっくりするくらいの速さで教室中を駆け巡る。こんな学校なので、おおっぴらに「付き合ってる」と言う人は少ないし、かつ「デート」なぞ気づかれずにコソコソするのが定石(のはず)なので、現場を取り押さえた者など即ピューリッツァー賞受賞者扱いを受ける、そんな環境だった。
高1の夏の部活帰り、やや大きめの駅で一人、高校生にとっての贅沢品の代表格、モスバーガーを頬張りたいという欲に駆られ、家とは反対の都会へ都会へ向かっていた。ここで、自分はピューリッツァー賞に遭遇した。駅前に続く道の途中で、クラスメイトが女子と一緒に歩いている。そこまで、というより殆ど話した事も無いクラスメイトが、同い年くらいの女子と一緒にいる。そこまで話した事もないクラスメイトのゴシップをバラまくのは、はっきり言って「死」と同義であり、この後の学校生活においての居場所が最悪なくなる可能性もあり、またこの女子が姉や妹の可能性もあり、まだ「彼女」と確定している訳でもない。この後の展開を踏まえれば、ピューリッツァー賞は諦めて、ただ一人今この景色をこっそり目に焼き付ける方が絶対に良い。そう思い道の端をこっそり尾行し始めたその直ぐ後、何かにガツンと頭をぶつけた。上を見上げると、そこには「進入禁止」の標識が、堂々と立っていた。
この物語には踏み込むなという恋の神様か何かのお告げだったのかも知れない。もしくは落語の神様が、この物語にオチをつけたかったのかも知れない。この現象に自分の文春マインドは壊れ、自分も電車に遅れそうだったので、泣く泣くその場を後にした。主にフジファブリック等をリピートしながら電車に乗った。しばらくすると、酷い夕立が愛知県全域を覆い尽くした。嫉妬の心などは全く抱いていなかったが、ざまぁみろと思った。
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自分は小学生からの付き合いの、親友というか、仲間というか、腐れ縁が5人いる。高2の夏、腐れ縁たちで福井の東尋坊を旅行することになった。東尋坊は想像以上にコンパクトで(もちろん良いところでしたが)、少し時間が余ってしまった為、近くにある「雄島」という無人島に行くことになった。陸地からは橋続きで、昔から海の神を祀っているため、島の中は神社と原生林で覆われている、神秘的(というよりは「Trick」に出てくるタイプ)な島であり、また地学的にも神秘的で、でっかい柱状節理や、磁石でできた岩など多くの神秘現象をみることが出来る、「Trick島」であった。
その島の中に「真水が湧く岩」という岩があり、自分たちはもう無人島わっしょい大はしゃぎ状態だったため、看板を見て、「ここからちょっと行くと真水が出る岩あるらしいよ~!」「真水出るの!!」などという、飲み会の後半くらい生産性のない会話を大声でしていた。この飲み会パーティーに、一組のカップルが焦り気味に小走りで駆け寄り、自分にこう尋ねた
「エッここマムシ出るんですか!?!?」
「アッ真水です...!」
一同唖然とした2秒後、大笑いして、何故か全員会釈をした。自分たちは真水の岩を結局見に行かなかったが、あのカップルは真水、あるいはマムシを見に行ったのだろうか..?
これはカップル関係無く普通に楽しい話なのだが、一個だけ突っ込む所があるとすると、あの女の方、とんでもない露出のーーー!!!!ゴスロリ服でーーー!!!!無人島を!!!!歩くなーーー!!!!!!!ちょっと神々しかったけどーーーーーーーーーー!!!!!!原生林の中だったからーーーーーーーーーー!!!!!!上のやりとりをした後、直ぐに消えるように居なくなったので、もしかしたらアレは神様だったのかもしれない...。チャラ男の彼氏の方は知らない。ただのチャラ男だった。
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「もうすぐ夏休みの学校からの帰り道、カップルが河川敷を自転車で二人乗り」というシチュエーションは、漫画や映画だともうベッタベタのベタ、ベタすぎて逆に最近だと全然見ない程、日本国民に浸透しきっている夏のカップルの表現方法だと思う。ただ、実際に見た人はミ池修輩(ミッキーを池に落として修学旅行がディズニーじゃなくなった原因を作った先輩)並みにいないと思う。ただ、自分は見たことがある。入道雲の河川敷を2人乗りで駆け抜けていくカップルを。皆さんが想像している絵とは配役が逆だと思うけど。
これも高校の出来事であるが、部活は引退した後、高3の1学期末テスト終了後、定期は切れていたため自転車で河川敷を全力疾走で帰宅していた。ここで道の後ろから、チャリ青春乗り二人組が見えてきた。ただ、運転しているのは女子の方だ。LGBTだ何だは置いとくとして、普通こういうのは男子が運転しないといけないのでは...?これはどっちが二人乗りを提案したかによるけど、男子が運転しないといけないのでは...?と思いながらチラチラ見ながらこいでいると、黄猿(ボルサリーノ)もびっくりのスピードで追いつき、追い抜いていき、自分の前へ前へ走り抜いていった。普通こういうのは「君を自転車の後ろに乗せてブレーキ一杯握りしめてゆっくりゆっくり下っていく(ゆず:夏色)」べきではないのか...?べきではないといけないのでは...?べきではないと事故るだろ...
この二点以外は、完全に創作の1ページだった。細田守監督作品に出てくるタイプの制服、カゴには2つの学生鞄が無造作に積まれており、2人は爽やかに笑顔で、女子の方が爆速でチャリを漕いでいる。もどかしい。紙ストローで炭酸飲料を飲んだ時のもどかしさが、前頭葉にこびりついている。ただ、この爽やかさの中のもどかしさが、エピソード自体を記憶的にさせている一因ではあると思う。アクを全部とらずに残すことで、素材本来のうまみを引き立たせる煮込み料理のテクニックを、このカップルは高校生にして使いこなしている。名前も高校も知らないし、もう顔も思い出せないが、一生付き合っていてほしい。キモいな...。さすがにキモいな...。
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夏休み中の深夜バイトが一番だるいかもしれない。何もせずにずっと家の中でぬくぬく(室温は「ひんやり」ですが)過ごしていたいのに、一日の終わりに少しだけ外に借り出される。これが一番だるいかもしれない。そんなやる気も出ずにレジ打ちをしていると、来た。真っ当な青春をしていそうな、ポカリスエットのcmに出てきそうな清純に見えるカップルが、カゴ一杯のおうちデート物資を持ってレジに来た。カゴの中に入った大量のアイスとお酒の間に、「人生が変わる0.01mm」が恥ずかしそうに顔をのぞかせている。無表情で自分が「明るい家族計画」をスキャンすると、カップルの二人は少し赤くなった顔をお互い見合わせる。袋に詰めた後も、配慮して奥の方に入れた「900円程度の小箱」を見つめながら、いそいそと店内を出ていった。
夏が来た
繁殖の季節だ